
建物に問題がなくても、会社の未払金や契約条件が残っていることがあります。別々の資料を突き合わせると、物件だけの調査では見えない論点が分かります。
家賃を三つの資料で追う
家賃一覧に載る賃料、賃貸借契約の金額、帳簿の売上と入金記録を照合します。差があれば、集計月のずれ、減額の合意、未収金などの理由を調べます。会社の決算書に不動産以外の売上が含まれる場合は、賃貸収入だけを取り出す作業も必要です。
完了した工事にも、未払いがないかを見る
説明用に、屋上防水が完了している一方、施工会社への支払いが残っている場面を考えます。建物の修繕履歴だけなら完了ですが、会社の資金からは今後支出が生じます。工事報告と請求書、未払金の明細をつなぐことで、建物の状態と債務の両方を把握できます。
不動産に関係しない契約も対象にする
株式を取得する場合、会社が結んだ契約や過去の税務上の事情も調査対象になります。社長個人の支出が会社に混在していないか、他社の保証をしていないかなど、会社側の資料から専門家が検討します。建物の評価が済んだから会社の調査も終わり、とはなりません。
見つかった事項の扱いを決める
指摘を一覧にするだけで、交渉が進むわけではありません。決済前に解消するもの、価格の協議に使うもの、契約で対応を検討するもの、取得後に処理するものへ振り分けます。どの扱いが妥当かは論点ごとに判断し、未確認の金額を一律に株価から差し引くことはしません。
参考資料
- 中小企業庁「中小M&Aガイドライン」(外部サイト)該当箇所:デュー・ディリジェンス(DD)(第3版)確認日: