
社長が経営を離れる方法は、会社の株式譲渡だけではありません。残したいものと引き継げる人を確かめると、比較すべき選択肢が絞れます。
「退任したい」と「会社を売りたい」を分ける
経理や修繕判断の負担を減らしたいのか、資産を現金化したいのかで選ぶ方法は変わります。家族が経営を続ける意思を持つなら、所有と実務の引継ぎを別に考える余地があります。まず、経営から離れたい人と、株式を手放したい人が誰なのかを確かめます。
候補は人と資金の両面で比べる
親族への承継、役員・従業員への承継、第三者への株式譲渡では、引き継ぐ相手の意思と資金の準備が異なります。物件を売却して会社へ代金を残す方法も、会社ごと引き継ぐ話とは別です。後継者の肩書だけで決めず、取得資金と取得後の運営を誰が担えるかを考えます。
| 引き継ぐ相手 | 会社と不動産 | |
|---|---|---|
| 親族への承継 | 親族の後継者 | 会社は存続し、株式を親族へ |
| 社内への承継 | 役員・従業員 | 会社は存続し、株式を社内の後継者へ |
| 第三者への株式譲渡 | 社外の法人・個人 | 会社は存続し、株式を第三者へ |
| 不動産の売却 | 物件の買主 | 物件は会社から離れ、会社には売却代金が入る |
同じ数字の表に無理に入れない
物件売却で会社に入る代金と、株式譲渡で株主が受け取る代金は受取人が違います。税負担、借入、会社に残る資産や債務も同じではありません。比較は会社と株主の資金を分けて専門家と行い、不動産価格から借入を引いた数字だけで方法を決めないようにします。